抗がん剤治療を受けていると、食欲不振や悪心・嘔吐、口内炎など、さまざまな副作用が見られやすくなります。
「治療中に食べてはいけないものはある?」「副作用が出たとき、どんな食事にすればいい?」など、わからないことが出てくるものです。
当記事では、治療中に食べてはいけないものや副作用への対策、気をつけなければいけないことについて詳しく紹介します。がん治療を受けている方は、ぜひ参考にしてください。
抗がん剤治療中は、食べていいもの・食べてはいけないものの決まりはありません。
体重減少を抑えるためには、栄養バランスに気を配りながら、高たんぱくで高カロリーな食事を心がけることが重要です。たんぱく質は筋肉をつけるために欠かせない栄養素です。肉や魚、卵、豆、ナッツ、チーズなどの食品も取り入れるとよいでしょう。
そして、一番大切なのは「普段から、好きで美味しいと感じるものを心豊かに楽しみながら食べること」です。
抗がん剤治療を受けていると、悪心・嘔吐、味覚障害、食欲不振など、さまざまな症状に悩むことがあります。それぞれの症状に応じて、食事内容を工夫する必要があります。
ここでは、症状別の対策法を詳しく紹介しますので、チェックしてみてください。
にらやねぎ、にんにく、納豆、魚などの匂いの強い食品は控えめにしましょう。食材を1~2種類のみにして、塩だけのシンプルな味付けにすると食べやすいことがあります。
悪心や嘔吐がある場合、冷奴や茶碗蒸し、ヨーグルト、プリンなど、冷たいものや口当たりのよいものも食べやすいです。
大量の水分を摂ると、嘔吐を誘発しやすくなるため、注意しなければなりません。また、油ものは胃に滞留する時間が長くなり、むかむかしやすくなるため、控えめにしてください。
水分が多く、柔らかくて口当たりのよい食べ物を選びましょう。少量の油脂をプラスすると、飲み込みやすくなります。また、刺激の多い食品(熱い・酸っぱい・辛い)や硬くて乾燥しているものは、控えるようにしましょう。痛みが強くて固形物を摂取できない場合は、流動食状やゼリー状の食べ物を選ぶようにしてください。
お粥やうどんなど、消化のよい食べ物を少しずつ摂取しましょう。コーヒーや辛い食べ物、炭酸飲料など刺激の多い食品は、腸の負担になりやすいため、控えるようにしてください。芋や豆、かぼちゃ、栗などは腸内で発酵してガスが発生し、腸を刺激してしまうため、控えめにしましょう。
水分は冷たいものを一気に摂取せず、湯冷ましやほうじ茶、麦茶、常温のイオン飲料などを少量ずつ摂るように心がけましょう。
野菜やきのこ、海藻、豆類、芋類、フルーツなど、食物繊維が豊富な食品を意識的に摂り入れましょう。米は、精白米よりも玄米や胚芽米などを選ぶのがおすすめです。
プロバイオティクス(ヨーグルト・味噌・ヤクルト)(※1)とプレバイオティクス(バナナ・玉ねぎ・きのこ・海藻など)(※2)の2種類の食品を一緒に摂取すると、効率よく腸内環境を整えられます。
(※1)プロバイオティクス:乳酸菌やビフィズス菌など、人の腸内に存在する善玉菌。
(※2)プレバイオティクス:オリゴ糖や食物繊維など、善玉菌のえさになるもの。
3食にこだわらず、食べられそうなときに食べられそうなものを摂取しましょう。タイミングを逃さないように、食べやすいもの(プリン・アイスクリーム・ヨーグルト・ゼリー・フルーツなど)を用意しておきましょう。
食欲のないときは、アイスクリームやゼリーなどの嗜好品に偏りやすく、たんぱく質が不足しがちです。冷蔵庫に温泉卵や冷奴、卵豆腐などを常備しておくのもおすすめです。
濃い味付けのものや酸味の強いものは、むせる原因となるため、なるべく薄味を心がけましょう。パンや肉、魚、芋類など、パサパサする食品も控えめにしましょう。
片栗粉やとろみ剤でとろみをつけると、飲み込みやすくなります。食事はゆっくり少量ずつ摂取するよう心がけてください。
食物繊維やガスが発生しやすい食品は、なるべく控えめにしましょう。急いで食事をすると、空気を一緒に飲み込んでしまい、膨満感が助長されやすくなります。よく噛んでゆっくり摂取するよう心がけましょう。
抗がん剤と相性のよくない食品や嗜好品もあるため、がん治療を受けている方は注意が必要です。ここでは、気を付けた方がよい食べ物や嗜好品を紹介します。
上記の食べ物・嗜好品の摂取についてや不明点がある場合は、必ず主治医に確認するようにしてください。