がん治療をすると、生殖に必要な機能にさまざまな影響が見られます。
「がん治療をすると、不妊になるの?」「妊孕性温存療法について知りたい」と気になっている方もいらっしゃるでしょう。
当記事では、がん治療は妊娠や出産にどのように影響するのかまとめ、妊孕性温存療法とその費用についても詳しく紹介します。がん治療を受けている方は、ぜひ参考にしてください。
がん治療を行うと、生殖機能にさまざまな影響を及ぼします。治療によって妊娠しにくくなる可能性があり、一時的な場合と永久的な場合があります。
抗がん剤の中には、催奇形成といって、お腹の中の赤ちゃんが正常に育つのを阻害する働きを持つ薬剤も存在します。そのため、抗がん剤の投与をしている間は、避妊をしなければいけないと言われています。
抗がん剤を用いたがん治療では、胎児への影響が考えられるため避妊が必要で、多くのケースでは、抗がん剤治療が終わると妊娠可能です。
抗がん剤を使用すると、数か月間、胎内に薬剤が残っている場合もあるため、妊娠について主治医としっかり相談するようにしましょう。
若い女性が妊娠・出産をする前にがんを発症し、卵巣機能が低下して、妊娠する能力を失ってしまう可能性があります。そのような状態にならないように、妊孕性温存治療を選択できるのです。
妊孕性温存治療は、未受精卵や受精卵、卵巣組織を凍らせて保管し、将来子どもを授かる可能性を残す治療を指します。男性の場合、精子を凍結して、将来自分の子どもを持つ選択肢を残すのです。
がん治療が終わった後、凍結保存しておいたものを融解して子宮内に移植し、妊娠するかどうか様子をみます。
妊孕性を温存する治療や、凍結した受精卵や未受精卵などの保管、がん治療後に妊娠を成立させるための生殖補助医療にかかる費用は保険適応外です。全額自己負担となってしまうため、受診予定の医療機関にあらかじめ確認しておきましょう。
しかし、がん治療を受けることによって、妊娠する能力が損なわれるとみなされたケースでは、お住まいの都道府県から妊孕性温存にかかる費用の助成を受けられます。助成の対象となるかどうか、主治医に確認しておくとよいでしょう。
助成内容や費用は都道府県によって異なるケースがあるため、詳細はお住まいの都道府県の情報をご確認ください。