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トモセラピーとその他の放射線治療の違いとは?

トモセラピーとは、各種がんに対する放射線治療のことです。主に、肺がん、乳がん、子宮頸がんなどの治療に用いられています。ここでは、同じく放射線治療の一種であるサイバーナイフ、ガンマナイフ、トゥルービームを取り上げて、トモセラピーとの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説しています。

サイバーナイフとの違い

サイバーナイフとは

サイバーナイフは、工業用ロボットアームに小型の放射線治療装置を搭載した医療機器です。自在に駆動するロボットアームによってさまざまな方向から放射線を照射することにより、正常な部位を避けつつ患部に正確な放射線照射を行うことができます。

トモセラピーと比べたサイバーナイフのメリット

治療期間が短い・治療回数が少ない

サイバーナイフは、ロボットアームによって正常部位を避けて患部に放射線を集中して照射することができます。そのため、一般的な放射線治療よりも短い治療期間・少ない治療回数で治療を終えることができるというメリットがあるのです。必要となる治療回数はがんの部位や状態などによって左右されますが、ひとつの病巣への治療回数はおおむね10回程度となっています。

副作用や体への負担を抑えられる

従来の放射線治療には、重い副作用や体への負担といったリスクがありました。しかし、サイバーナイフならピンポイントな放射線照射によって副作用や負担を抑えられるため、従来の放射線治療に比べて全身状態の悪い患者さんや高齢の方に対する治療がやりやすくなっています。

トモセラピーと比べたサイバーナイフのデメリット

まだ十分な量の治療データが蓄積されていない

サイバーナイフは、低侵襲、放射線の集中的照射による治療期間の短縮など、多くのメリットのある治療法です。しかし、従来の一般的な放射線治療法と比べるとまだ新しいため歴史も浅く、十分な量の治療データの蓄積がないことがデメリットと言えます。

多くの病院に普及していない

サイバーナイフは新しい治療法であると同時に、高度な医療機器の導入を要求される治療法でもあります。そのため、まだ多くの病院に普及していないというのもデメリットです。治療を受けたいと思っても、サイバーナイフ治療を行っている病院が見つからないことが多いでしょう。

ガンマナイフとの違い

ガンマナイフとは

ガンマナイフは、定位放射線治療の嚆矢となった治療法で、1968年に実用化されました。定位放射線治療とは、固定された単一の方向から放射線を照射する通常の放射線治療に対して、多方向から集中的に放射線を照射する治療法のことです。サイバーナイフとの大きな違いは、名前の通り放射線ではなくガンマ線を照射する点となります。

トモセラピーと比べたガンマナイフのメリット

負担の減少と治療の効率化

通常のトモセラピーの場合、正常な細胞への負担を減らすために放射線の照射は複数回に分けて行われます。このことが、従来の放射線治療に時間や回数がかかる原因でした。これに対して、ガンマナイフは通常の放射線治療よりも低い放射線量を多方向から照射することによって、正常な細胞への負担の削減と治療の効率化を両立しているのです。

痛みを抑える治療ができる

従来のトモセラピーは、広範囲に放射線を照射していたために、どうしても周辺の正常な組織や細胞への負担があり、同時に患者さんに苦痛をもたらすことが問題でした。しかし、ガンマナイフは従来のトモセラピーに比べて照射範囲を絞ることができるので、患者さんに与える負担や苦痛を大きく減らすことができるのです。

がんの種類によっては保険適用が可能

平成22年4月から、トモセラピーの治療費については、限局した固定がんに限って保険適用が可能となりました。しかし、それ以外のがんに関しては保険適用外となっているのが一般的です。対して、ガンマナイフはがんの種類によっては保険適用できる治療法なので、より多くのがんの治療をより費用を抑えて行うことができます。

トモセラピーと比べたガンマナイフのデメリット

肺がん、乳がん、子宮がん、骨転移の治療には適用不可

ガンマナイフは、すべてのがんの治療に適用できるわけではありません。とりわけ、肺がん、乳がん、子宮がん、骨転移の治療には用いられないのが一般的です。がんの治療法はそれぞれの症状によって適用できるものが異なります。

トゥルービームとの違い

トゥルービームとは

トゥルービームとは、定位放射線治療や強度変調放射線治療を短時間かつ高精度に行うことが可能ながんの治療法です。主に頭部頸がんや前立腺がんの治療に用いられるほか、小型肺がんなどの小さな範囲への放射線照射が要求されるがんの治療にも大きなニーズがあります。

トモセラピーと比べたトゥルービームのメリット

患者さんの呼吸を止めることなく治療が可能

従来のトモセラピーの場合、肺などの臓器が呼吸で動くのを防ぐために、治療中は患者さんの呼吸を止める必要がありました。そうなると、当然患者さんへの肉体的負担は大きくなります。しかし、トゥルービームなら呼吸などで動く臓器を追尾することができるので患者さんの呼吸を止める必要がなく、患者さんへの負担を大幅に減らすことができるのです。

短時間での治療を実現

トゥルービームは、限られた範囲に対して集中して放射線を照射することができます。したがって時間あたりの放射線の量である線量率が高く、トモセラピーに比べて短時間での治療が可能です。また、治療中に患部の状態を画像で確認することも可能なので、高精度の治療ができます。

汎用性が高い

トモセラピーは、ガンの種類によっては適用が難しい場合があります。対してトゥルービームは汎用性が高く、乳がん、膵臓がん、脳腫瘍など、がんの種類を選ばず幅広い症状に対応可能です。

トモセラピーと比べたトゥルービームのデメリット

治療内容によってはトモセラピーが適している場合がある

トゥルービームは、高い汎用性が魅力です。反面、腫瘍と臓器が至近距離にあるような精度の高い照射が必要な治療の際には、トゥルービームよりもトモセラピーのほうが適しています。

編集チームからひとこと

従来型の放射線治療では、がんの病巣だけではなくその周囲の正常な組織や臓器にまで同じ線量の照射が避けられず、これが副作用を引き起こす要因となっていました。高精度放射線治療装置のトモセラピー治療は、がんの病巣に集中して照射ができるようコントロールすることが可能なため、周囲の正常組織への影響が格段に少なくなっているのが特徴の先進医療。

従来の放射線治療に比べて、治療効果を向上し副作用を軽減することが可能となっていることがわかりました。このサイトでは、トモセラピーに対応しているクリニックの選び方や、おすすめのクリニックを紹介しています。トモセラピー治療を検討されたい方は、ぜひチェックしてみてください。

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