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都立駒込病院が導入しているトモセラピーは、回転軌道照射を実現させたIMRT。 それまでは困難とされてきた複雑な形状のがんにも効果が期待できる機械です。 照射の際にはバイナリーコリメータでビームを絞ることが可能。正常な臓器への照射を回避することで、体への負担を抑えます。
都立駒込病院では毎回画像を確認します。 CTで撮影し、治療計画を立てた時と現在の画像を比較し、どのように照射するかを決めます。 それまでの治療の進行具合によってがんの形状も異なりますので、毎回CTを撮影することで、「現在のがんにはどのような照射が適切なのか」をその都度チェックします。
これにより、がんに対して適切な照射を行えるとともに、がん以外の部分への悪影響を抑えることもできますので、体への負担・副作用のリスクが減ることが期待できます。
都立駒込病院では第四世代のサイバーナイフを導入。ロボット技術によって誕生したサイバーナイフは、多方向から一点に集中しての治療を可能にしました。ロボットだからこその高精度の定位放射線治療で、患者が動いたらその動きも感知して位置を補正。「誤差が1ミリ程度しかない」とも言われるほど、高い照射精度を誇っています。 当初は脳への照射を行っていましたが、2013年からは他の部分の照射も行われるようになっています。
都立駒込病院ではVERO-4Dも導入。 こちらは患者の呼吸によって動く体内の臓器に合わせて放射線を照射。 赤外線認識センサーやX線透視複合システムによって体内のターゲットを正確に捉え、適切な照射へと導きます。 2013年の3月からは呼吸によって上下に動く肺がんにも対応。 放射線のビームを動かしての照射によってより正確にがんへの照射を可能にしました。他の臓器への治療も含め、それまで体の中で微妙に動くものへの照射が難しいとされていたがん治療に一石を投じるものとなりました。
神澤輝実院長はがんや感染症に関する専門的な治療はもちろん、メンタルクリニックにも力を入れています。治療の技術的な対応だけでなく、病気との向き合い方そして不安や疑問など、患者さんと家族がこれから生きていくためのケアサポートを大切にしているそうです。
HPに記載がありませんでした。
駒込病院は、救急受診をのぞいて紹介予約制を採用しています。原則として紹介状が必要ですが、1,300円支払えば紹介状がなくても診察してもらえるそうです。受診当日には以下の書類を持参します。
予約は電話のみの受付です。変更・確認も予約用電話で対応しています。
初診の場合、問診したあと診察室に入ります。検体検査・生理検査・放射線検査など、治療方針を決める各種検査を実施。栄養指導や通院治療センターの受付をしたあと、次回の予約を取ります。
再診の場合、診察前に検査が必要な方は各種検査を実施。検体検査や放射線治療が終了したあと、診察がない人は次回予約を取って会計をします。
【膵臓がんの放射線治療例】
50.4Gy/28回を1日1回実施するため、約6週間治療を受けます。治療前にCTを撮影し腫瘍の場所を把握。照射は治療室のベッドに横になって受けられます。治療時間は約15分程度です。
駒込病院では、各診療科で疾患に診断をつけたのちに、方針をよく相談します。すべてのがん治療に同じような治療をするのではなく、転移箇所やがんの種類に応じて治療実施しているそうです。
サイバーナイフは、ロボット技術を利用して、多方向から患部に集中して治療ができる療法です。照射中に患者さんが動いても、わずかな動きをキャッチして1mm単位で誤差修正。定位放射が実施できる、非常に高性能なロボットを使用した放射線治療に対応しています。脳の病変だけでなく、肺・骨のがん治療もサイバーナイフ療法できるのが特徴です。
肺や肝臓など、呼吸や臓器など体内で動く部位に対応できる療法です。標的の病変が照射範囲から外れてしまわないように、呼吸性移動に応じて放射線も追尾。照射熱量をキープしながらも、照射範囲が小さくできるのが特徴です。病変以外の正常部位に放射線が当たる確率を下げて、副作用の危険性を少しでも抑えられる効果が期待できます。
2012年に高精度放射線治療機器を導入して以来、特殊治療件数が年々増え続けています。2014年の患者実人数(新患+再患)は1,615名でしたが、2019年は2337名でした。甲状腺癌の放射性ヨード内用療法や白血病などの、血液疾患への全身照射も多いようです。
参照元:東京都立駒込病院(https://www.cick.jp/houshasenchiryou/results/)
内視鏡手術線ロボットです。アメリカで開発されたロノッドですが、3Dモニターを見ながら自分の手で動かしているようにロボットアームを操作。細かい患部の外科手術を実現しています。開腹手術をせず、数カ所に小さな穴を開けて手術をするため、出血量が少なく体の負担が少ないのが特徴です。
※公式サイトの情報より抜粋
◆トモセラピー治療の費用と期間について
トモセラピー治療の費用は保険診療と自由診療の場合で大きく異なり、保険適用の場合は1回の照射につき自己負担額は約1万1000円、保険が適用されない自由診療の場合は約3万3000円程です。(編集チーム調べ)
病状やクリニックによって費用や期間は変動するため、検討している病院・クリニックがあれば直接お問合わせください。
◆トモセラピー治療のリスクについて
照射する部位によっては、頭痛や下痢などの副作用は生じるケースがありますので、詳しくは各病院・クリニックへ相談しましょう。
東京でトモセラピー治療の対応実績を公式HPに公表しているクリニックC4・都立駒込病院・江戸川病院。(2019年7月時点)この3院を転移巣への対応・照射範囲の広さで比較しました。