食道がんは、食道に悪性腫瘍ができる疾患のこと。悪性腫瘍は、表面に発生してから、徐々に深くなっていきます。日本人が発症する食道がんでは、半数ほどが食道の中央付近から発症し、次に食道の下部あたりに多く発症すると言われています。
食道の内部を覆う粘膜から発生することが多いがんとなっており、粘膜が扁平上皮でできているのもあって扁平上皮がんが食道がんの大半を占めるとされています。がんが大きい場合には粘膜の外側にある粘膜下層や筋肉の固有筋層まで入り込んでいくこともあります。さらに大きくなると食道の壁を突き抜けて食道の外まで広がってしまうこともあります。
食道の周りには気管や肺・動脈・心臓といった重要な臓器も多く近接しており、食道を突き抜けてしまった場合にはこれらの臓器にも入っていってしまうことがあります。
厚生労働省の人口動態調査によれば、2015年に食道がんで亡くなった人数は全国的に観ると 11,734人となっています。
食道がんは初期の状態では自覚症状がないことが多い傾向があります。
食道がんが進行するにつれて、食事をした時に熱いものが胸に滲みたり、つかえたりするような違和感を感じることが出てきます。また、体重が減ったり胸や背中が痛くなったり、声がかすれる、咳といった症状も現れてきます。
自覚症状がないため、症状が出てきた場合にはある程度進行していることが多い病気です。
早期発見をするには、検診や人間ドックを行った際に内視鏡検査や上部消化管造影検査(バリウム食道透視検査)などによるものがあります。
食道がんは喫煙と飲酒が特に危険性の高い危険因子とされており、飲酒と喫煙の両方が好きという方にはさらに危険性が高まるということがわかっています。また、この二つの中でも飲酒の影響が大きいとされています。体内に入ってきたアルコール飲料を分解する際に作られるアセトアルデヒドについて関連性の高い発がん物質とされています。
特に飲酒すると顔が赤くなるようなアセトアルデヒドを分解しにくい体質の人は、アルコールを大量に飲んだりアルコール濃度が高いお酒を飲んだりすると発がんのリスクがさらに高まってしまいます。飲酒すると顔が赤くなる体質で飲酒と喫煙の習慣がある中高年男性は特に食道がんの危険性が高いため、注意が必要です。
食道がんは食道の内部を覆う粘膜から発生することが多いがんです。食道の周りには重要な臓器も多いことから転移のリスクも高いですが、治療による正常な臓器へのダメージも気になるところ。
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