トモセラピーの治療対象である白血病とは一体どんな病気なのでしょうか?
白血病は細胞分裂の異変で生じます。もっといえば、細胞が異常に増殖する病気です。骨髄には各種血球の元になる造血幹細胞という細胞があります。造血幹細胞は最初の段階に、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞の2種類に分化。骨髄系幹細胞は赤血球や血小板や骨髄芽球という白血球を構成するものに分化するのが正常な状態です。
一方のリンパ系幹細胞は、白血球を構成するもうひとつの要素リンパ球に分化されます。通常なら問題なく分化が進行して白血球が作られるのですが、分化する中で異変が起き、細胞の異常増殖が発生することがあるのです。それが白血病です。
白血病にもさまざまな種類があります。たとえば「骨髄性白血病」は白血球を構成する骨髄芽球という細胞が分化するときに生じる異常で起きます。「リンパ性白血病」はリンパ系幹細胞が分化する中で異常増殖が起きることです。
白血病は進行スピードにも違いがあります。進行スピードが早いと「急性」比較的緩やかな進行だと「慢性」です。急性と慢性は、骨髄性白血病でもリンパ性白血病にもあります。
白血病は再発しやすい病気と考えられています。たとえば白血病とは異なり、臓器にできるガンがあります。臓器にできた場合、外科手術による切除が可能です。白血病は血液の中にあり、身体中を巡ります。つまり外科手術でガンを切除することができません。そのため、化学療法により、白血病細胞を血液中の5%以下に減らす治療がひとつの選択肢として行われています。
ただ、5%以下に減らせても、血液中に5%以下の白血病細胞が残ってしまうのは否めません。微小残存病変ですが、再び増殖すると白血病が再発したと診断されます。
まさに血液のガンであり、完全に取り除くのはむずかしいために白血病は厄介なのです。それでも、増結幹細胞移植、インターフェロン療法、分子標的療法といった、比較的新しい治療法が誕生しており、長期生存率が上昇しているという話も出てきています。
白血病には治療方針の指針となる段階があります。段階が上がるにつれて体への負担が大きくなるのです。一例として慢性骨髄性白血病の段階を紹介します。
上記は慢性骨髄性白血病が辿る段階で、慢性期、移行期、急性期それぞれの状態が異なります。慢性期は白血球と血小板の増加は見られますが、分化自体に問題はありません。未熟な骨髄芽球は10%以下であり、顕著な症状も見られない状態です。
次の段階である移行期に進むと、骨髄芽球の分化能力がなくなります。結果、血液中に未熟な芽球が増えるのです。白血病細胞が増えている状態であり、投薬しても弱いため病気が進行します。
急性期も骨髄芽球の分化能力はないままで、未熟な芽球の増殖が止まりません。血液中に骨髄芽球が20%以上という状態です。芽球が増えた反面、正常な血液細胞は減少して、白血病の貧血、出血、高熱の強い症状が顕著に見られます。
急性リンパ性白血病も段階があります。
上記は急性リンパ性白血病の段階ですが治療状況も含まれています。未治療期は白血病細胞が発見されたばかりの段階。寛解期は、化学療法で白血球数が正常レベルまで下がった段階が当てはまります。できる範囲で検査した結果、白血病細胞が消えた状態です。
再発期は一旦寛解したが、再び白血病細胞が生じた状態に当てはまります。一般的に骨髄で再発されることが多いようです。最後は不応性で、完全寛解が不可能とされる段階です。
白血病の主な症状をご紹介します。造血機能障害、ガンの浸潤でも症状は異なります。
造血機能障害は血液に関連する症状が見られます。がん細胞が増えて、造血機能が正しく働いておらず正常な血液細胞が作れない状態のために起きるからです。
ガンが組織に侵入することをガンの浸潤といいます。ガン細胞は臓器や骨髄に転移することでさまざまな症状を引き起こすのです。造血機能障害とは異なり、腹部や関節痛などの痛みが見られます。
慢性白血病は、多くの場合、初期症状はほとんどありません。健康診断で白血球数の増加がわかり発見される例が多いです。急性とは異なり慢性は緩やかにガン細胞が増加していきます。正常な白血球も作られている状態のため、血液も正常な状態と同じ働きを保てると考えられているからです。
また、骨髄系とリンパ系でも症状に違いがあります。リンパ性の場合は、中枢神経への浸潤が多く見られるために、精神症状や嘔吐や頭痛のような症状が出やすいと考えられているのです。
血液のがんである白血病の治療法というとまず一番に思い浮かぶのは骨髄移植だと思いますが、トモセラピーなら360度方向から病巣に放射線を集中的に照射が可能。前段階での利用だけでなく悪性腫瘍病変に対応できる治療機器として、医療機関でも導入が進んでいます。
体への負担が少なく高い効果が期待できるトモセラピーは、おすすめの治療法として挙げられます。このサイトでは、トモセラピーに対応しているクリニックや選び方について紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。