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がんの痛みについて原因や治療について解説

がんの痛みは一般的な症状で、患者さんの半数以上が経験するといわれています。特に進行がん場合では3人に2人が痛みを感じるというデータがあります。がん診断を受けたばかりで不安な上に痛みを伴い、気持ちが落ち込んでしまう方もいるかもしれません。しかし、痛みは治療で緩和できる可能性があります。我慢をせずに、治医などに相談することが重要です。まずはがんの痛みの種類や原因について知識を深め、適切な治療へつなげていきましょう。

がんの痛みの原因

がんに関連する痛みは主に3つの要因によって引き起こされます。

1.がん自体が直接原因となる場合

腫瘍が周囲の組織や臓器に浸潤して神経に影響を及ぼすと、難治性の神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)という難治性の痛みを発生することがあります。

2.がん治療が痛みを引き起こす場合

がんの手術後に、手術傷が痛むことがあります。この痛みは短期的だけではなく、長期的に痛むこともあります。また、化学療法が神経に影響を及ぼして神経障害性疼痛を引き起こすこともあります。

3.がんに関連した痛み

がんによる体力の低下や動けなくなることが、腰痛などの痛みを引き起こす原因になることがあります。腰痛の他にも、寝たきり状態が続くことで褥瘡やリンパ浮腫も痛みの要因となることがあります。

がんの痛みは治療できる

がん治療中の痛みに対して、「がん治療中は痛くても仕方がない」「我慢しなければならない」と考える患者さんは多いです。しかし、がん治療中の痛みの多くは治療により、軽減できるのです。痛みを軽減することで、患者さんの生活の質は向上し、治療にも良い影響をあたえることも多くあります。痛みの治療方法は患者さんによって異なりますが、医療用麻薬による薬物治療、直接神経に麻酔薬を注入する神経ブロック治療、放射線治療などがあります。

がんの痛みのメカニズム

がん自体が直接原因となる場合、痛みには大きく分けて以下の3種類の性質があります。がんが内蔵にある場合の痛み「内蔵痛」、がんが骨や筋肉、皮膚などにある場合の痛み「体性痛」、がんが痛みを起こす神経に影響して起こる痛み「神経障害性疼痛」です。それぞれの特徴を解説していきます。

内蔵痛

がんが内蔵にある場合の痛みです。食道や大腸、胃などにがんがある場合に炎症やがんの浸潤・圧迫などによって発生することがあります。痛みの部分がはっきりしないことが特徴で、「深く絞られるような」「押されるような」「重い」などと表現される痛みがあります。また、鈍痛や胸のむかつきや吐き気、発汗などの症状が出ることもあります。

体性痛

がんが骨や筋肉、皮膚などにある場合、発生する可能性があります。これらは、「体性組織」と言われ、「焼けるような」「うずくような」などと表現されるように、火傷に近い痛みを生じることがあります。また、身体を動かしたり、圧迫したりすることで鋭い痛みが出ます。

神経障害性疼痛

がんが神経に浸潤することによって引き起こされる痛みです。その神経の影響を受けている身体の部分に「ピリピリ」「チクチク」「電気が走ったような」痛みが生じます。また、痛みだけではなく、しびれた感覚であったり、痛みがある場所を動かせない(脱力感)などの症状が起こることもあります。

がんの部位による痛みの特徴

がんは、発生する部位により痛みの特徴が異なります。各部位ごとに解説していきます。

顔面・口腔内・首の痛み

がんが発生した場所の筋肉や皮膚、骨などががんの刺激を直接受けることによって痛みを感じます。

胸の痛み

がんによる胸の痛みはさまざまながんの種類があります。肺がんの場合、肺そのものにがんがあっても痛みにくいですが、気管支などにがんが広がると痛みが出やすくなります。神経や骨にまで広がると痛みは強くなります。また、食道がんでは飲み込んだときに胸の奥が痛むことがあります。その他、肺がん、乳がん、悪性リンパ腫などで胸膜に炎症が起こる「がん性胸膜炎」でも胸が痛みます。

お腹の痛み

消化器のなかでも食べ物が通る食道、胃、小腸、大腸などの管腔臓器(かんくうぞうき)にがんが発生した場合、腹膜という内臓を包んでいる組織が痛むことがあります。これは、腹膜ががんにり刺激を受けたり、がんが広がることで食べ物の通り道が狭まることによるものです。

特徴として、食べ物が通過するときに痛みが増したり、嘔吐などを伴うことがあります。腹膜自体にがんが広がると、さらに痛みが強まることがあります。また、肝臓や膵臓、腎臓のがんでは臓器が圧迫されたり腹膜が引っ張られることで痛みを生じます。これらのがんでは、肩や背中など、がんが発生した部位から離れた場所に痛みが出る場合もあります。

脊椎の転移による痛み

がんが脊椎に転移した場合には強い痛みを生じます。身体を捻るなどした場合には痛みが強まります。また、転移部分の骨が変形してしまい神経を刺激する場合、その神経の末端部分に痺れた感じや電気が走るような痛みを感じます。頚椎に転移した場合は肩から腕、胸椎では胴体全般、腰椎では太ももからお尻にかけて痛みが発生します。

首から腕にかけての痛み

首や鎖骨の上部にがんがあると、腕神経叢(わんしんけいそう)という神経の集まりや頚椎のがんにより、 首から腕にかけて痛みが広がります。動かすと痛みが強まることがあり、前述の体性痛と神経障害性疼痛が混合した痛みです。

腰からふくらはぎにかけての痛み

腰や骨盤にがんがあると、 腰からふくらはぎにかけての痛みがある場合があります。神経叢が障害を受けるためで、こちらも性痛と神経障害性疼痛が混合した痛みです。

動作によって生じる痛み

がん自体が痛みの原因となっている場合には、状況や動作によっても痛みが生じることがあります。

排尿・排便のとき

子宮、膀胱、直腸は骨盤の中の内蔵「骨盤臓器(こつばんぞうき)」と言われています。そして、これらの臓器にがんが生じると、排尿や排便のときに痛みが生じることがあります。

食べ物を食べるとき

食べ物を飲み込むときに生じる痛みは、胃に至るまでの通り道にがんが発生していることがあります。代表的なものは食道がんです。また、周囲から圧迫されて締め付けられるような痛みを生じる場合もあります。

身体を動かすとき

内臓のがんが骨やその周辺組織に転移した場合、身体を動かすと痛む場合があります。がんがある場所に力がかかると痛みが強くなる傾向があります。