薬物療法は、がんの標準治療の1つです。ここでは薬物療法の種類や副作用症状と対策などについて紹介しています。
薬物療法は、抗がん剤によってがん細胞を攻撃し、がん細胞の増殖を抑える治療です。抗がん剤が血液によって運ばれることで、身体の隅々まで行き渡らせ、全身に散ったがん細胞に作用させます。
がんの殺傷能力に優れていますが、腸や皮膚など、活発に増殖する正常細胞にも影響が及び、嘔吐、脱毛、骨髄抑制などの副作用を引き起こします。適切な治療を行い、工夫する事で副作用を和らげましょう。
薬物療法で使われる薬の種類には、「細胞障害性抗がん薬」「内分泌療法薬(ホルモン療法薬)」「分子標的薬」などがあります。薬の種類によって、がん細胞への攻撃の仕方が異なります。
抗がん薬である細胞障害性抗がん薬は、細胞増殖の仕組みに着目し、その仕組みの一部を邪魔することでがん細胞を攻撃する薬です。
ホルモン療法薬(内分泌療法薬)とは、ホルモン分泌や働きを阻害し、ホルモンを利用して増殖する系のがんを攻撃する薬です。
分子標的薬とは、がん細胞増殖・攻撃免疫に関わるタンパク質や栄養を運ぶ血管などを標的にしてがんを攻撃する薬です。
薬物療法には、主に以下のような投与方法があります。
それぞれの投与方法について詳しく紹介します。
錠剤やカプセル、粉薬などを飲み込むことで体内に投与する方法です。薬による効果は個人差があり、アレルギーなど副反応を引き起こす可能性があります。
そのため、薬が処方されたら必ずお薬手帳に薬局で記入してもらうなど記録をつけ、診断時に医師へ見せるようにしましょう。
点滴や注射での投与は、治療する日としない日を組み合わせた1~2週間程度の周期設定をして、効果や副作用の様子を見ながら治療を行います。投与方法は以下の通りです。
抗がん剤を投与する場合、がんの種類によって特定の臓器に流れる動脈にカテーテルを置き、血流に乗ってその臓器に集中的に抗がん剤治療を行い、ポートを使って体外から薬剤を注入する方法があります。
副作用は、療法によって効果が異なり、個人差があります。そのため、治療開始前に十分な確認を必ず行い、使用する薬の説明を受けたり、治療中異変を感じたらすぐに医師などに相談しましょう。副作用は対処法や工夫によって軽くすることもできます。副作用の種類と対処法は以下の通りです。
点滴投与や初めての薬の副作用により、直後にアレルギー反応が出る場合があります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
化学療法の副作用により、血液を作り出す骨髄機能障害になると骨髄抑制による免疫力の低下が起こります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
治療に対する不安などの心理的要因や脳神経の刺激の副作用として、ムカムカする・吐き気・嘔吐があります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
化学療法の副作用として、腸の粘膜が荒れたり、感染を引き起こすことで下痢になります。また、腸の動きを調節している神経に影響した場合、腸の動きが弱くなり、食事の量が減るなどによって便秘になります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
<便秘>
<下痢>
<便秘>
<下痢>
口の中の粘膜に対する抗がん剤などの副作用には、感染により口内炎ができることがあります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
抗がん剤などの副作用には、血液を作り出す骨髄にある造血幹細胞機能障害により、赤血球が減少する、消化管などから出血したりすることで貧血になります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
副作用には血小板の減少により、出血しやすく、血が止まりにくいものがあります。副作用の症状と対策は以下の通りです。
薬物療法とは、抗がん剤によるがん治療のことを指し、化学療法ともいわれています。がん細胞の増殖を抑える作用があり、また抗がん剤は血液によって体の隅々にまで運ばれますので、全身に散ったがんにも効果が期待できる治療法だということがわかりました。
薬物療法はがんを治療するのに確かに有効な方法ですが、半面で多くの副作用を引き起こしてしまう治療法でもあります。そのため治療開始前に、どういった副作用が起こる可能性があるのか、起こった時はどのような対処をするのかなどを、担当医と相談していくことがおすすめです。
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