抗がん剤を投与すると、薬剤に反応して身体に異常な反応が見られることがあります。免疫の働きから起きるアレルギー反応と副作用としてアレルギー様の反応が見られることがあるため、注意が必要です。
がん治療で見られるアレルギーの症状や対策法について、詳しく紹介します。抗がん剤などのがん治療を受けている方は、ぜひ参考にしてください。
抗がん剤を投与したときに、薬剤に対して身体が異常な反応を示すことを過敏症と呼びます。抗がん剤を投与することによって見られる過敏反応は、免疫の働きから起きるアレルギーと、薬剤に対する過敏反応であるインフュージョンリアクションという輸注反応があります。
蕁麻疹や吐き気、手の平や足の裏のかゆみ、のどや口のしびれ・違和感、顔や身体がカーッと熱くなる、腹痛、くしゃみ、胸を押さえつけられるような圧迫感などが見られます。
病状が非常に重いと、ぜんそく症状(気管支の浮腫によってヒューヒューという音がする、咳、息苦しさ、低酸素の状態)、全身の浮腫、血圧低下、意識が遠のく、痙攣など、命に関わる症状が現れます。
寒気がして身体が震える、頭痛、発熱、発疹、かゆみなどが見られます。
病状が重くなると、アレルギーの重篤な症状と同じ状態となり、命に関わることがあるため注意しなければなりません。
免疫によって起きる過敏症は、1回目や2回目の抗がん剤点滴直後から投与中に見られることが多いです。使用する薬剤の種類によっては、数回の点滴後に突然アレルギー反応が見られることがあるため、注意が必要です。
インフュージョンリアクションは、薬剤を投与した直後から24時間の間に見られるとされています。
症状が現れたら、ただちに点滴の滴下を止めます。一般的には、アレルギーの場合は原因となった薬剤の投与は行いません。 しかし、症状が軽度の場合には、落ち着いてからゆっくりの速度で点滴を行ったり、アレルギーを防ぐ作用のある薬剤を投与したりするなど、治療を再開するケースがあります。
インフュージョンリアクションは、症状が重くない限り、点滴をゆっくり滴下したり、緩和する薬剤を用いて状態が落ち着いてから治療を再開したりします。
重篤な過敏症状が見られた場合、その薬剤は使用できなくなります。
治療は医師の判断で行われるため、不明点がある方は、主治医に直接ご確認ください。
食事や薬剤でアレルギー反応が見られた方やぜんそくなどの持病がある方、花粉症やアレルギー性鼻炎がある方は、主治医や看護師に必ず知らせましょう。
抗がん剤を点滴後、過敏症による症状が見られた場合、なるべく早めに点滴の滴下を止める必要があります。我慢せず、すぐにスタッフへ知らせるようにしてください。
アレルギーを抑える薬を使用すると、眠気やのどの渇きなどの症状が見られることがあります。医師から特別な指示がない限り、のどが渇いた時には水分摂取を行いましょう。眠気が見られる場合、ふらつくことがあるため、転ばないよう注意が必要です。ふらつく場合は、スタッフへ知らせるようにしてください。