前立腺がんは男性特有のがんです。 なぜなら、前立腺が男性にしかない臓器だからです。前立腺は膀胱の下に位置し、尿道を取り囲むように位置しています。
前立腺がんは前立腺細胞の正常な細胞増殖機能が損なわれ、自己増殖によって発生してしまいます。 早期発見であれば治療も可能ですが、近くのリンパ節や骨に転移することも多いです。
前立腺がんの兆候として、尿が出にくくなったり、あるいは排尿の回数が増えることなどですが、元々頻尿という人もいれば、年齢と共に尿の出が悪くなることから、それらの症状から「前立腺がんかも」と思える人はなかなかいません。
しかし、進行していくと血尿や腰痛、骨への転移による痛みなどが発症し、そこでようやく気付くという人も多いです。
前立腺がんの発生要因としては家族歴、あるいは高年齢、肥満、カルシウムの過剰摂取や喫煙が挙げられますが、まだまだ研究が進められている段階です。
治療に関しては外科的な治療や放射線治療、薬物療法が用いられています。 いずれの治療も、男性の生殖機能に関わる部分になりますので、どのような治療を行うにせよ、その後どうなるのかをしっかりと医師と確認することが求められます。
「トモセラピー」によるがん治療専門の治療院であるクリニックC4。前立腺がんを含めた、幅広い治療に対応しています。ここでは、そのクリニックC4の青木院長にトモセラピーの前立腺がん治療について伺ってきました。
「説明と選択の医療、人事を尽くすがん医療」をモットーとし、30年以上がん医療に携わってきた青木医師。患者優先の医療を掲げ、進行・末期がん患者への全人的医療に注力しています。青木医師は東京大学医学部医学科を卒業後、放射線医師としてひとすじにがん医療に携わりながら、数多くのがん患者と関わってきました。
がんの末期・多発転移で「手だてがない」と判断を受けた方に対して、トモセラピーを活用した積極的な治療を行っています。患者の気持ちに寄り添いながら粘り強く、あきらめない治療を提供している医師です。
前立腺癌進行期(D2)リンパ節転移- 64歳男性
前立腺がんの治療は、腫瘍マーカーの数値(PSA)やグリソンスコアのデータをもとに進められます。
グリソンスコアは、悪性度を表す数値のことです。前立腺がんの進行度やリスク別に治療方法を比較してみましょう。
【居所治療による根治】
低リスクの前立腺がんは、悪性腫瘍が被膜内に留まっているレベルの状態です。(PSA4〜10、グリソンスコア〜6)
低リスク前立腺がんの場合、手術・外部放射線治療・小線源治療の3つの方法で進められます。治療する病院方針にもよりますが、がんの転移リスクが非常に低いため、ホルモン療法は実施しないこともあるそうです。
小線源治療の場合、短期間で治療が終わるため、体調次第ではスムーズに社会復帰できるでしょう。
【手術と放射線治療によるアプローチ】
中リスクの前立腺がんは、低リスクタイプと同様、皮膜内に留まっているレベルの状態です。各スコアは低リスクレベルよりも、高い数値を持ちます。(PSA10〜20、グリソンスコア7)
中リスク前立腺がんの場合、手術と外部放射線治療を実施。がんの進行度によっては、ホルモン療法も併用した治療を行います。約2ヶ月に渡るサイクルで、IMRTを使った放射線治療でがんにアプローチしますが、低侵襲治療ができるのが特徴です。
ホルモン療法と合わせて約6ヶ月の治療期間を要するでしょう。
【放射線治療とホルモン療法によるアプローチ】
高リスクの前立腺がんは、被膜外や周辺の臓器に湿潤しているレベルの状態です。(PSA20以上、グリソンスコア8〜10)
放射線治療とホルモン療法を並行して実施し、ホルモン治療は放射線治療が終わってからも2年間継続します。前立腺だけでなく、他の部位にまで転移している可能性があるため、担当医と治療方針やスケジュールを相談しながら進めるでしょう。
前立腺がんにおける放射線治療法は主に3つあります。
放射線治療は何度も通わなければいけないイメージもありますが、小線源治療のように1回で終わるものもあります。
選択肢を絞らず、セカンドオピニオンを取り入れながら、前立腺がんとどのように向き合い治療するか?が大切なのです。それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、ライフスタイルや前立腺がんの進行度や数値に応じた治療を受けましょう。
前立腺がんは男性特有のがんであり、近くのリンパ節や骨に転移することも多いがんであることがわかりました。また、男性の生殖機能に関わる部分での治療という事も、このがんの悩み深いところであると言えます。
体への負担が少なく高い効果が期待できるトモセラピーは、おすすめの治療法として挙げられます。このサイトでは、トモセラピーに対応しているクリニックや選び方について紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。